2025年4月1日に着任いたしました、日本文化学科講師の宮内理伽です。
我孫子キャンパスでは、美しく咲いていた桜の花が散り、清々しい新緑の季節となりました。有名な「久方の光のどけき春の日にしづこころなく花のちるらむ」に表されるように、日本人は桜の散る美しさに心を寄せてきました。主に1年生を対象とする「日本文化入門」では、古典文学における四季とテーマを設定し、季節や自然をめぐる日本人の豊かな心情表現について読み解いています。
わたしは、日本古典文学、特に平安時代中ごろに成立した長編物語『源氏物語』を研究してきました。昨年(2024年)の大河ドラマの主人公?紫式部が書いたとされる物語で、光源氏という光り輝くように美しい男君を主人公に、数多くの魅力的な女性たちが登場します。藤壺、紫の上、六条御息所、空蝉、夕顔、葵の上、玉鬘、花散里、朝顔の姫君、朧月夜…それぞれ優美な名を冠した女性たちと光源氏の恋を読んで楽しむだけでなく、生きる苦しみ、嫉妬、若き日の過ちの後悔、仏に救いを求める心など、人生におけるさまざまな経験を物語は味あわさせてくれます。
子どもの頃から本や漫画を読むのが大好きで、文学研究の道に進みました。大学は、好きなこと興味のあることを深く学ぶことのできる場です。ぜひ一緒に日本古典文学の世界を深く読み味わっていきましょう。